今後懸念される“ギャンブル依存症”の拡大…抜け出せないメカニズムと治療方法

今後懸念される“ギャンブル依存症”の拡大…抜け出せないメカニズムと治療方法

2016年12月22日(木)政府は、カジノ解禁法が成立したことを受け、競馬やパチンコなど既存のギャンブル依存も含めたギャンブル依存症対策の関係閣僚会議を開くことを決めました(参考)。 今後ギャンブル依存症の拡大が懸念されますが、なぜ依存に陥ってしまうのでしょうか。 今回は精神科医のひなこ先生にギャンブル依存症の概要、原因、なりやすいタイプや、治療方法について解説していただきました。

2016年12月22日(木)政府は、カジノ解禁法が成立したことを受け、競馬やパチンコなど既存のギャンブル依存も含めたギャンブル依存症対策の関係閣僚会議を開くことを決めました(参考)。

今後ギャンブル依存症の拡大が懸念されますが、なぜ依存に陥ってしまうのでしょうか。

今回は精神科医のひなこ先生にギャンブル依存症の概要、原因、なりやすいタイプや、治療方法について解説していただきました。

ギャンブル依存症とは


ギャンブル依存症とは、医学的にはギャンブル障害、病的賭博などと呼ばれることが多く、ギャンブル、つまり賭け事に対して自分の欲求や行動がコントロールできないものを指します。

その人のギャンブルのために、金銭面や社会的な問題が生じたり、精神的に明らかな不都合が生じるにも関わらず、やはりギャンブルを続けてしまう、といった状態を言います。

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ギャンブル依存症の原因


諸説ありますが、一般的に言われているものとして以下のようなものが挙げられます。

ストレス


何かでストレスを発散したい、熱中したいといったケースです。 たとえば、仕事や学校などで満たされない感じがあり、それを充足したいという気持ちからギャンブルに依存する場合があります。

遺伝的な要因


ギャンブル依存症者は、家系に同様の問題を持つ場合が有意といわれています。

部分強化


「部分強化」という心理学用語があります。ギャンブルにおける「部分強化」とは、常に報酬が得られるものではなく、得られる場合と得られない場合がある状況や手法を指します。

負けていてもう明らかにやめたほうが良い状況にあっても「これだけ負けたのだから(確率的に)次は勝つのではないか」「この前も前が続いた後に勝ったのだから」といった心理状態になりやすいのが特徴です。

生育環境


両親や親せきなどが頻繁に競馬場やパチンコ店などに出入りするような教育環境だと、子供もそういったギャンブルが身近になりやすいといえます。

ギャンブル依存症になりやすい人の特徴


大規模な統計はありませんが、20歳前後で何らかのギャンブルを開始し、30歳前にはギャンブルによるトラブルが現れはじめるといった例が一般的に見られ、男女で比較すると、男性の割合が多いことが知られています。

また、日常生活上、大きなストレスを感じている人、何かに依存しやすい傾向のある人といったケースもありますが、ごく普通の勤め人や主婦の方、学生さんなどが患するケースも数多くあります。

ギャンブル依存症に対する治療


ギャンブル依存症は主に精神科において治療されることになり、カウンセリングや自助グループの紹介のほか、入院して治療プログラムを行ったり、併存するうつ病などの精神障害がある場合はそちらの治療を行うことになります。

身近な人がギャンブル依存症になった場合の対応


ギャンブルで作った借金の肩代わりをしたり、本人の代わりに周囲に謝罪して回ったりする行為が見られる場合もありますが、これはイネイブリングと呼ばれ、ギャンブル依存症による問題をエスカレートさせることにつながります。

ギャンブル依存症の問題があると感じたなら、それを認めて医療機関を早急に受診させるようにするとよいでしょう。

ギャンブル依存症セルフチェック


□ギャンブルの問題を家族や身近な人から指摘されたことがある

□ギャンブルのために、生活費が足りなくなったり、仕事に遅刻するなど生活に支障をきたしたことがある

□ギャンブルをして、本当は負けたのに勝ったと嘘をついたことがある

□ギャンブルをした金額を少なく誰かに伝えたことがある

□ギャンブルをしないほうが良い状況であっても、機会があればしてしまう

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最後にひなこ先生から一言


ギャンブル依存症は決して珍しい病気ではなく、周囲にも疑わしく思える人がいらっしゃるかもしれません。

偏見も多い病気ですが、「性格」や「意志の弱さ」などではなく、依存の一つですので、適した治療につなげていくことが回復への近道になりますよ。

(監修:精神科医 ひなこ先生)
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